災害時には欠かせない水の備蓄
最近、世界各地で地震や火山の噴火が頻発しています。
国内においても、2022年1月だけで、東京・埼玉で震度5強を観測する地震や、大分県・宮崎県で最大震度5強を記録する地震が起き、緊張感が高まっています。
大規模地震や水害などの自然災害によりライフラインが寸断されてしまったときに、真っ先に困るのが「水」の問題です。
被害が広範囲に及ぶと、各家庭に水が行き渡るようになるまで数日から1週間、またはそれ以上の時間がかかってしまう場合もあります。
飲料水はもちろんのこと、食事の準備やトイレ、洗濯などあらゆる場面で欠かせない存在となっている水は、給水支援やライフラインの回復を待つだけではなく、自分たちの力で生活できるよう防災対策として備蓄しておくことが大切です。

水を備蓄しておくことが大事というのは分かったけど、どういう種類の水をどれくらい、どのようにして備蓄すれば良いの?



それについては、これから分かりやすく説明しましょう。
水を備蓄する理由
私たちの身体の6~8割を占める水は、元気に活動する上でたくさんの重要な役割を担っています。
血液中の水分は、酸素や栄養素、ホルモンなどを各臓器へ運搬し、腎臓では体内に溜まった老廃物を尿として体外へ排泄させます。
また、呼吸や発汗により絶えず水分が失われていくため、水分補給を怠れば、あっという間に水分不足の状態に陥ってしまうことがあります。
体内の水分不足は、さまざまなトラブルを引き起こす原因となり、悪化すると生命を脅かす恐れもあります。
体重の約2%の水分が失われただけで、喉の渇きや食欲低下などが現れ、約6%まで及ぶと頭痛やめまいなどの症状に襲われます。さらに10%まで失われると筋肉の痙攣、意識障害、腎不全など重篤な状態に至る可能性があるのです。
極度の緊張状態が続く災害直後は、疲労やストレスの蓄積により誰もが体調を崩しやすくなっています。
さらに、水がないと不安に陥り、余計に体調を崩しかねないことも…。そのため、飲料水の備蓄は安心して過ごす上で大変重要な要素になると言っても過言ではありません。
万が一、ライフラインが寸断されても途切れなく水分補給ができるよう、できるだけ新鮮な水を保管しておきましょう。
備蓄水は「保存水」にする!
保存水は、一般的なミネラルウォーターとは違い、徹底した殺菌処理を行っているため、通常よりも長期間保存することができます。
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ここでは、保存水の選び方を説明します。断水時に困らないよう、最低でも1週間分の保存水を確保しておきましょう。
賞味期限と含有成分をチェック
保存水は通常のミネラルウォーターに比べて賞味期限が長く、5年や10年、長いもので15年間保存できる場合もあります。
ただし、基本的に賞味期限が長くなるほど値段も高くなるので注意が必要です。
賞味期限とコストのバランスを考えて、保存水を選びましょう。
500ミリリットルか2リットル?
一般的に、成人1人につき1日に約3リットルの水分が必要であると言われています。そのため、1週間分の水を備蓄する場合、3リットル×7日間で、1人あたり約21リットルの水が必要になります。
この21リットルという大量の水を、どの容量のペットボトルで保存するのがよいか事前に考えておきましょう。
2リットルボトルは、容量あたりの価格は安めですが、重量があるためそのまま飲んだり持ち運んだりするのには向いていません。
一方、500ミリリットルボトルの場合、容量あたりの価格は比較的高めですが、軽量なので片手で楽々と飲むことができます。1人で飲み切れるサイズなので、衛生的です。
コストをそれほど重視しないなら、軽くて扱いやすい500ミリリットルボトルがおすすめです。逆に、コストを抑えるなら、2リットルボトルと500ミリリットルボトルを併用してみてください。
軟水か硬水か?
いつもとは違うミネラルウォーターを飲んだときに、「なんか飲みにくいな……」と感じたことはありませんか?
もしかすると、それには硬度が関係しているのかもしれません。硬度は、水の中に含まれるカルシウムとマグネシウムの量を表した数値のことです。
カルシウムとマグネシウムの量が多いものを硬水と呼び、量が少ないものを軟水と呼びます。日本の水道水や販売されている水は、軟水であるケースがほとんどです。
飲み慣れている水のほうがストレスは感じにくいので、特にこだわりがなければ軟水を選ぶようにしましょう。
備蓄水が手元に無い場合、ペットボトルなど清潔な容器に入れて水道水を保管する方法もあります。
その際は、水が蒸発しないように蓋をきちんと閉めておきましょう。水質を保つため、直射日光の当たらない低温の室内での保管も重要です。
水を備蓄する方法
水の備蓄には、長期間保存できる水を選ぶのがベストです。
鮮度の保たれた備蓄水が家庭にあれば、いざという時に便利で安心です。
また、避難生活におけるミネラル不足を解消するために、保存水の含有成分について事前に調べておきましょう。
ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムなどのミネラルを豊富に含んでいる水なら、ミネラルの補給源として役立ちます。
ミネラルの含有量は製品によって異なるので、保存水ごとの栄養成分表示によく目を通しておいてください。
備蓄水の必要量は?
生活に欠かせない水のうち、災害時にはまず飲料用の水を確保する必要があります。それ以外にも非常食のアルファ米を調理したり、洗濯やトイレのための水も確保したりしなければいけません。
水は、大人1人につき、1日2~3Lの飲料水が必要と言われています(食べ物に含まれる水分も含みます)。
十分な量の飲料水があれば、お湯かお水を注ぐだけでふっくらご飯が炊ける「アルファ米」作りや、赤ちゃんのいる家庭では粉ミルクの調乳にも使用できます。
飲料水として3L、洗濯、トイレ、歯磨き、食事の後かたづけなどに使用する「生活用水」として、3L×家族人数の水を備蓄しておかなければなりません。
子どもやご高齢の方の「脱水」に気をつけよう
地震などの災害後の避難生活では、子どもとご高齢の方の脱水症状に注意しなければなりません。
汗や呼吸によって失われる水分比率が高く、自分の意志で水分補給ができない子どもは、脱水症状に対する予備能力が低いため発見されたときには既に重症となっていることも珍しくありません。
加齢により体内の水分量が低下したご高齢の方も脱水になりやすく、中には「トイレに行く回数を減らしたい」という理由で水分補給を控えているケースもしばしばです。
「食欲がない」「何となく機嫌が悪い」などといった些細な兆候を見逃さず、高温多湿とならないよう環境に配慮しながら定期的な水分補給を促していきましょう。
ペットの水も忘れずに
ペットを飼っている家庭では、ペット用の水・食料を忘れずに確保しておくようにしましょう。
災害後の物資支援がはじまっても、ドッグフードやキャットフードが支給されることは殆どありません。
防災対策用のトイレシーツや砂なども一緒に保管しておくとなお安心です。
最後に
いかがでしたか? ここで、記事の内容を簡単にまとめてみましょう。
災害時に備えて水の備蓄は絶対に必要です。
- 水を備蓄する理由
- 私たちの身体の6~8割を占める水は、元気に活動する上でたくさんの重要な役割を担っています
- 体内の水分不足は、さまざまなトラブルを引き起こす原因となり、悪化すると生命を脅かす恐れもあります
- 備蓄水は「保存水」にする
- 保存水は、徹底した殺菌処理を行っているため、通常よりも長期間保存することができます
- 賞味期限と含有成分をチェック
- 保存水は賞味期限が長く、5年や10年、長いもので15年間保存できる場合もあります
- 備蓄水の必要量は?
- 水は、大人1人につき、1日2~3Lの飲料水が必要と言われています
- 飲料水として3L、洗濯、トイレ、歯磨き、食事の後かたづけなどに使用する「生活用水」として、3L×家族人数の水を備蓄しておかなければなりません
- 子どもやご高齢の方の「脱水」に気をつけよう
- 「食欲がない」「何となく機嫌が悪い」などといった些細な兆候を見逃さず、高温多湿とならないよう環境に配慮しながら定期的な水分補給を促していきましょう
- ペットの水も忘れずに
- ペットを飼っている家庭では、ペット用の水・食料を忘れずに確保しておくようにしましょう
あなたも、万が一に備えて水を備蓄しておくようにしてください。
記事をお読みいただきありがとうございました。